マッチ先生が贈る今月の一句ー7月 マッチ先生が贈る今月の一句ー7月

マッチ先生の今月の一句ー7月

打ち水も湯気たてている昼下がり

   朝まだき川風渡る散歩道

夏休みに入りました。皆さんにとって、夏休みの一番の楽しみは何でしょうか。家族でのお出かけ、家族旅行、それとも友人と遊びに行くことでしょうか。

自分の幼少期を振り返ってみると、楽しかった思い出として記憶に残っているのは、近所の神社の夏祭りです。盆踊りの曲がかかると、心が弾んで、見よう見まねで手足を動かしていたのを思い出します。夜店も楽しみの一つでした。定番の金魚すくい、ヨーヨー釣り、それに射的・輪投げなどのゲームを友人と一緒にするのがとても楽しかったのを思い出します。でも一番心に残っているのはお祭りそのものの雰囲気でした。夏の夜、昼の暑さが少し収まってきた宵に賑やかな音や提灯のおぼろげな灯りの中で繰り広げられる催しのそこはかとない奥ゆかしさ、それが好きでした。

コロナ禍でしばらく中止されていた各地のお祭りも少しずつを戻ってきています。今年は隅田川の花火大会も開催されるとのこと。今年の夏は、久々に夏の夜の風物詩を味わってみてはいかがでしょうか。みなさんがこの夏、自分なりのすてきな思い出作りをされることを願っています。

マッチ先生が贈る今月の一句ー6月 マッチ先生が贈る今月の一句ー6月

「祖母とした茅の輪くぐりのゆかしさや」

「軒先に風鈴揺れる昼下がり」

マッチ先生の今月の一句ー6月

暑くなってきましたが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

「煤払い」というと、年の瀬・大晦日を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、古代の人は、実は半年に一度、煤払いをしていました。一年のちょうど半分の6月に行われる煤払いが「六月祓」。百人一首の中にも登場します。いかにも夏らしい素敵な和歌なので、紹介します。

風そよぐならの小川の夕暮れはみそぎぞ夏のしるしなりける   藤原家隆(百人一首98番)

家隆は、百人一首を選んだ藤原定家と並称されるほどの優れた歌人でした。陰暦の6月末は現在の暦では7月下旬に相当するので、そよぐ風や辺りの様子には秋の気配が漂っていたと思われます。けれども、少しも不自然さを感じさせないのは、歌の力とでも言えるのでしょうか。

時間に追われた毎日を送っていると、心が乾燥しているなと感じられることがあります。そんな時、昔の人の詠んだ和歌や詩に触れると心が癒されていくのを感じます。心がカサカサしているなと感じたら、和歌や詩を通して昔の人の声に耳を傾けてみませんか。

マッチ先生が贈る今月の一句-5月 マッチ先生が贈る今月の一句-5月

「風薫る語らう友の肩ごしに」

「通学す若葉を濡らす雨の中」

マッチ先生の今月の一句ー5月

光塩祭、遠足と様々な行事に忙しかった4月、そして楽しみにしていた連休も終わり、気がつけば5月もあと数日。中1にとっては初めての中間試験でしたね。中1以外の皆さんにとっても、学年が変わって新しいことが山積していることでしょう。マッチ先生にとっても新しいことの連続です。当然、スムーズにいかないこともあります。時には思い悩むことも。

でも、こんな風に考えてみたらいかがでしょうか。生きているからいいろいろな経験をし、悩むこともあるのだと。何の壁もなく、何事もスムーズに運んだらかえって味気ないのではないでしょうか。登山でも起伏があるから面白いと言えるでしょう。

とは言え、悩むのはやっぱりつらいこと。そんなとき、苦しい胸の内を聴いてもらえる人が一人でもいれば、心強いですよね。自分一人で抱え込まないで、信頼できる誰かに自分の思いを打ち明けてみましょう。たとえそれが、直接の問題解決にならなかったとしても、少しだけ心が軽くなるかもしれません。心を開いて自分の弱さをみせることができれば、きっと誰かが手を差し伸べてくれるでしょう。

 

 

マッチ先生が贈る今月の一句ー4月 マッチ先生が贈る今月の一句ー4月

「風光りすっくと立てる若木たち」

2023年度がスタートしました。皆さん、ご入学・ご進級おめでとうございます。

今年度の学校目標は「自己肯定感を高める」ですね。私も自己肯定感を持って「自分らしく生き」ようと、心に決めました。けれども、「自分らしく生きる」ことは意外に難しいものです。自分らしく生きるためには、まず自分を知る必要がありますし、他人からの評価に左右されない強さも必要になります。

初めは難しいかもしれません。けれど一日一回、必ず自分をほめるよう心掛けてください。そして小さくても天に向かってすっくと立つ若木のように、胸を張って空を見上げてみましょう。そうすれば、うつむいていては見えなかった新しい景色が、きっと目の前に現れてくることでしょう。

マッチ先生が贈る今月の一句ー3月 マッチ先生が贈る今月の一句ー3月

マッチ先生が贈る今月の一句 3月

 「さよならは新たな出会いの第一歩」

 「卒業を寿ぐ空は花曇り」

 

「逢うは別れの始め」という慣用句を聞いたことのある方は大勢いらっしゃると思います。これは中国の詩人白居易の詩に拠るものです。

卒業も一つの「別れ」と言えるでしょう。けれども、私はあえて言いたいのです。「別れこそ新たな出会いの始まり」であると。

真壁仁さんの「峠」という詩をご存じですか。その一節に「ひとつをうしなうことなしに別個の風景にはいってゆけない。」とあります。また、「たとえ行手がきまっていてもひとはそこでひとつの世界にわかれねばならぬ」(昭和詩集㈠日本詩人全集33 新潮社より)とも書かれています。

これまで過ごしてきた世界に別れを告げるのは寂しいと思われるかもしれませんが、その寂しさを乗り越えないと、新たな世界へ旅立つことができません。

4月から始まる新たなステージへ、希望をもって進んで行きましょう。マッチ先生は皆さんの新たな門出を心から応援しています。

マッチ先生が贈る今月の一句-2月 マッチ先生が贈る今月の一句-2月

マッチ先生が贈る今月の一句 2月

「山路にも春告げ鳥の声を聞く」

「梅咲きて新年度への思い馳す」

 

皆さんは、この1年間にたくさんのことを学び、吸収してきましたね。次の学年に上がるにあたって、これをやってみようと心に決めたことがありますか。

私には心に決めたことが一つあります。それは「アウトプット」することです。これまで「インプット」してきた知識や経験を的確に発信すること-たとえば、読書、展覧会や旅行で得た知識-を文章にまとめたり、動画にしたりすること。文章にしたり、動画にしたりすることで、「インプット」されたものを自分の中に定着させることができます。また、自分の中に定着させるだけでなく、他者のために活用することもできます。

せっかく自分の中にたくさんの知識を取り込んだのですから、それを眠らせておかずに自分のため、人のために役立ててみてはいかがでしょうか。4月からの新しい年度を迎えるにあたって、私と一緒に「アウトプット」することを少しだけ考えてみませんか。

 

マッチ先生が贈る今月の一詩 マッチ先生が贈る今月の一詩

マッチ先生が贈る今月の一詩

 「ひらくということ」

耳が開かれている時には、いろいろなもの音が聞こえる。

目が開かれている時には、いろいろな人やものが見える。

そして、心が開かれている時には、たくさんのことばが入ってくる。

本当に、これでもかこれでもかというぐらいおもしろいように。

「ひらく」ということは、とても勇気のいること。

なぜなら、ひらくことで出ていくものもあるから。

もしかしたら、出ていってほしくないものもあるかもしれない。

ひらくことで失うものもあるかもしれない。

ひらくことで傷つくこともあるかもしれない。

でもひらいてはじめて見えてくるものがある。

少しだけ勇気をもってひらいてみよう。

その時、きっと思いがけない風景が見えてくる。

それがあなたへの、神さまからのメッセージ。

寒さの中にも梅の花のほころびや日脚の伸びに、春の兆しを感じるように

なりました。1月は、年が新たになるとともに生きとし生けるすべてのも

のが新たに「ひらかれる」、そんな気がします。

そんなことを考えながら、今月は詩を作ってみました。自身に言い聞かせ

つつ、皆さんへのエールとしてこの詩を贈ります。

マッチ先生が贈る今月の一句―12月 マッチ先生が贈る今月の一句―12月

マッチ先生が贈る今月の一句―12月

               「電飾を心で灯すクリスマス」

もうすぐクリスマス。クリスマスを彩るイルミネーション(電飾)が、今年は節電の影響により時短で消灯されているのは、何も日本に限ったことではないようです。

華やかに楽しい気分を味わいたいクリスマスですが、この寒空の中で、イルミネーションどころか日々の暮らしに使う最低限の電気にさえ不自由している人たちがいることを思うとき、私たちはいかに恵まれているかということに気づかされます。

では、そのように不自由している遠くの友のために、私たちには何ができるのでしょうか。実際にその場所に行って支援することができなくても、その人たちの苦しみや辛さを自分のこととしてとらえ、苦しみや辛さに共感することはできます。それが遠くの友の心に明かりを灯すことになるのではないでしょうか。

マッチ先生が贈る今月の一句 11月 マッチ先生が贈る今月の一句 11月

「小雪や二度寝の布団は夢心地」

日一日と夜明けが遅くなっています。朝の冷え込みも一段と強くなってきました。昼間と朝夕の気温差が大きいので、風邪をひき易い季節ですね。

皆さん、お元気ですか。布団の中から出るのが億劫になっていませんか? かく言う私ことマッチも、このところ布団から出るのに苦労しています。マッチとあだ名されている私ですが、寒さに弱く、冬の朝は大の苦手。ついつい二度寝してしまいます。

本物のマッチだったら暖かくていいだろうなあと考えていたとき、ふと気づいたことがありました。マッチ棒は、自身では火を起こすことができないということ。薬品を塗った箱の側面に擦りつけないと発火できないということ。これは、人間にも共通するのではないかと思いました。

人間も一人では生きられない。人と関わることで、暖かい火を起こすのではないかということ。マッチ箱は擦られて跡がつくように、摩擦によって傷つくこともあるでしょう。でもその結果、周りを明るく、暖かくする火が生まれる。人に真正面からぶつかることは、勇気が要ることでしょう。痛い思いをするかもしれません。けれどもぶつからなければ永久に火をともすことはできないのです。

傷つくことを恐れずに人と関わっていきましょう。そして、人と一緒に明るく、暖かい火をともしていこうではありませんか。

マッチ先生が贈る今月の一句 10月 マッチ先生が贈る今月の一句 10月

「おはようと笑顔で言えるありがたさ」

 体育祭、修学旅行など2学期前半の学校行事が終了し、11月の親睦会までは、しばらく通常の学校生活が続きます。9月、10月の連休も終わってしまったし、つまらないなと思っていませんか?

確かにありきたりの日常は、ちょっぴりくすんで見えるかもしれません。でも、意識せずに過ごしていた日常生活の中にも喜びがつまっています。

たとえば、朝目覚めて鳥の囀りを耳にすること。学校へ通う道で、「おはよう」と挨拶を交わすこと。食事がおいしく食べられること。雨音を聞きながら好きな本を読むこと。好きなアーティストの曲を聴くことー⋯

以前読んだ本の中に、「一日の終わりに今日あったことを振り返り、感謝したいことをみつけて書き出す習慣をつけるとよい」と書いてありました。忙しさにかまけてついつい怠ってしまいますが、実際に実行してみると、意外にたくさんみつかるものです。

晴れの日はもちろん雨の日も、感謝できることをみつけていきましょう。