マッチ先生が贈る今月の一句ー2月 マッチ先生が贈る今月の一句ー2月

「梅が枝(え)にうっすら積もるなごり雪」

「店頭に菜花並びて旬(しゅん)を知る」

 

皆さんは「ちぢみほうれん草」という野菜を見かけたことがありますか。最近はスーパーマーケットでも見かけるようになりました。「ちぢみほうれん草」は「寒じめほうれん草」とも呼ばれており、通常のほうれん草とは違って肉厚で、甘味が強いのが特徴です。もともと寒さの厳しい東北地方で生まれたそうですが、今は全国に広まっているようです。ハウスで一定の大きさまで育て、外気が5度以下になったらわざわざ冷気に当てるとのこと。寒さに打ち勝とうと、ほうれん草は地面に張り付くように葉を広げ、葉がちぢれた状態に育つことから「ちぢみほうれん草」の名がついたそうです。

では、「ちぢみほうれん草」は、なぜ通常のほうれん草より甘いのでしょうか。厳しい寒さの中で、凍らないために糖分を増やしていくからだと言われています。ほうれん草にとって、厳しい寒さは相当なストレス。逆境と言っても過言ではないでしょう。

人間にとってもストレスや逆境は、ありがたくないもの。できればあってほしくないものです。しかし、歴史上に名の残る偉人達を調べてみると、その多くは、逆境を乗り越えて偉業を成し遂げています。逆境を逆境ととらえず、今こそが自分を強くしてくれるチャンスととらえてみてはいかがでしょうか。私も「ちぢみほうれん草」が与えてくれたメッセージを大事にして生きていこうと思っています。

「弁論本」展示中です。~ラーニング・コモンズ出張文庫~ 「弁論本」展示中です。~ラーニング・コモンズ出張文庫~

AIとフードロスをテーマに発表した生徒によるPOP付きの本たち

現在、中学2年生の学年廊下にて、弁論大会の予選で発表されたテーマの一部にちなんだ書籍を展示しています。発表生徒の中から有志のメンバーがラーニング・コモンズにておススメの本を選び、熱のこもったぱっと目を引くPOPを作ってくれました。廊下を歩いている途中、ふと足をとめて、友達が紹介したおすすめの本のページをパラパラとめくる生徒たち。2月は探究発表会に関連した企画を実施予定です。みんなの「気になる!」「面白そう!」の連鎖が広がるラーニング・コモンズの企画を今後もお楽しみに!

マッチ先生が贈る今月の一句ー1月 マッチ先生が贈る今月の一句ー1月

山茶花(さざんか)のこぼれて季(とき)の往くを知る

日脚伸び川面(かわも)に遊ぶ小鴨たち

新しい年を迎えたと思っていたのに、気づくと1月も残りわずか。まもなく立春を迎えます。

受験生の皆さんは4月から始まる新しい生活に思いを馳せて、ラストスパートをかけていらっしゃることでしょう。受験学年ではない方も新年を迎えて心新たに次の学年への目標を定めていらっしゃるでしょう。中には、進路決定に思い悩んでいる方もいるかもしれませんね。

新年度に向けての準備が始まるこの時期に、皆さんにぜひともお伝えしておきたいことがあります。それは、どんな選択も自分で選び取ってほしいということです。小学生までは保護者の方の敷かれたレールの上を歩いてきた方がほとんどでしょう。でも、皆さんの人生は皆さん自身が歩んでいくもの。他の人が代わって歩むことはできません。自分の進む道は自分で決める—当たり前のようですが、意外と難しいことだと思います。しかし、自分で決めて自分で選び取らないと先々必ず後悔します。これは私自身の経験から言えることです。

「いのちを運ぶで運命、その運転手は自分」

「自分が育てて来た自分、自分が育てていく自分」

上の2つは、薬師寺の僧侶である大谷徹焋(おおたにてつじょう)さんの言葉です。自分でよく考えて選び取り、それで思い描いたとおりの結果にならなかったとしても、自分自身で歩みだした事実は残ります。それは大きな自信に繋がると思います。

自分を自分自身で育てていきましょう。自分の運命を自分の手で切り開いていきましょう。皆さんの明るい未来を信じて応援しています。

マッチ先生が贈る今月の一句ー12月 マッチ先生が贈る今月の一句ー12月

マッチ先生が贈る今月の一句-12月

 

「一年を振り返りつつ便り書く」

 

光塩では2学期の終業式を終えて、明日から冬休みに入ります。冬休みというと、皆さんは何を思い浮かべますか。

私が真っ先に思い浮かべるのは、年賀状です。何日までに投函しないと元日に届かないという期限が迫っているからです。パソコンに弱い私は、イラストを見つけたり、それを上手に編集して貼り付けたりするのが苦手。まして、宛名を的確な場所に印刷することは思いもよらないアナログ人間なので、宛名はいまだに手書きにしています。最近は少しずつ書く枚数を減らしているのですが、今年の1月、何人かの友人から「来年からはメールにするね」という年賀状をもらいました。 便利になったものだと思う一方で、何か味気ない思いがしました。パソコンで作るのならメールでも変わりないのかもしれませんが、そこに相手の方に向けての一言が添えられている年賀状を受け取ると、その人の姿が見えるようでとてもうれしいものです。手書きだと、なおのこと人のぬくもりが感じられます。遠方にいてなかなか会えない友人の場合はなおさらです。年を重ねるにつれて億劫になっていくのは仕方のないことですが、一年に一度の邂逅を大切にしていきたいと、私は考えています。

 

上智大学中央図書館を視察しました 上智大学中央図書館を視察しました

光塩女子学院中高等科では、MANABIプロジェクトの一環としてラーニング・コモンズの改装を計画しています。この度、高大連携が決まった上智大学の中央図書館を視察し、たくさんのアイディアを頂きました。上智大学のラーニング・コモンズは、デバイスを持ち寄って仲間と課題や議論に励む学生で溢れ、盛況でした。そこに至るまでには、図書館職員(スタッフ)の方々による、丁寧できめ細かいサポートの歴史がありました。時代の変化に合わせて学生のニーズに寄り添い、お部屋の環境を工夫して、PC・プレゼン機器貸出やWi-Fi環境整備を進められる職員の方々のたゆまぬ努力は、私たち光塩女子学院の今後のラーニング・コモンズ運営に大きな示唆を与えてくださいました。来年度の完成を目指して、ラーニング・コモンズ改装計画は現在進行中です!

ラーニング・コモンズの歴史を教えてくださる上智大学図書館の方々上智大学中央図書館のラーニング・コモンズ

 

 

マッチ先生が贈る今月の一句ー11月 マッチ先生が贈る今月の一句ー11月

マッチ先生が贈る今月の一句ー11月

校庭に朝日を浴びる霜の花

 

11月も後半に入って、ようやく夏日がなくなりました。暑いのが苦手な方は、ほっとしていらっしゃることでしょう。

植物も同様で、鉢植えのミニトマトが、水やりをしているにもかかわらず、枯れてしまいました。というより、茎や葉が茶色く変色してしまいました。枯れてしまったのだと考え、鉢の中身を空けて土を入れ替えようと思って鉢を覗き込むと、今まで生っていなかったはずの実が数個枝についているのがみつかりました。2鉢あったミニトマトのどちらにも実がついています。

この夏は、高温の影響で野菜の高値が続いていたのですが、このところ安くなってきた理由がこれで少しわかりました。

植物たちは、自分に合う気候でないと実をむすんでくれないのです。魚や鳥、その他の動物たちも同様です。

最近、日本近海で採れる魚の種類が変化してきたのをご存じでしょうか。秋の味覚のサンマもついに高級魚になってしまいました。

一方でこれまでとは違った野菜や魚が食べられるようになりました。でも喜んでばかりもいられません。生態系が壊れ、これまで日本で生息できた生物が絶滅の危機を迎えているからです。

私たちにできることは何でしょうか。それは、私たちがもっと地球環境の変化に関心を持つこと。そして環境にやさしい生活をすることではないでしょうか。温室効果ガスを出さないような生活を意識的に送ることです。

多くの生物たちのおかげで、私たちも生きられるのですから。

 

マッチ先生が贈る今月の一句ー10月 マッチ先生が贈る今月の一句ー10月

「夕日浴びていろいろはゆるもみぢかな」

紅葉狩りの季節になりました。以前テレビ番組で「葉っぱはなぜ紅葉して落ちるの?」という質問がありました。回答者は、わかりやすく「紅葉して葉を落とすのは木本体を守るため」と答えていました。生物学的には、もっと説明が必要なのでしょうが、私はその簡潔な答えに妙に納得しました。寒い冬になっても葉をつけていると、雪や氷のために木自体が弱ってしまうとのこと。葉っぱが木を去ることによって木を助けているのだなあと思いました。

そのとき、ふと思い出したのがレオ・バスカーリア著『葉っぱのフレディ』という童話です。この作品は、春生まれたフレディという名の葉っぱがたくさんの仲間たちと夏を過ごし、秋になって皆それぞれに紅葉し、やがてひと葉ひと葉、木を離れて旅立っていくという物語です。

フレディもついに木を離れていきました。フレディは空中を舞いながらもとの木のたくましい姿を目にします。そのとき、友人から聞いた”いのち”という言葉を思い出し、”いのち”は永遠に生きているのだと悟るのです。

少し長くなりますが、『徒然草』にも落葉に触れた段があります。

「木の葉の落つるも、まづ落ちて芽ぐむにはあらず、下より兆(きざ)しつはるに堪へずして落つるなり」(155段より)つまり、ある季節の終わりは次の季節の始まりと重なっているということなのです。

私たちも、このように次の世代へと「いのち」のバトンを繋(つな)いでいくのだと考えると勇気づけられます。少し寂しさを感じさせる落葉を、別の角度からとらえてみませんか。

マッチ先生が贈る今月の一句ー9月 マッチ先生が贈る今月の一句ー9月

マッチ先生の今月の一句ー10月

「人文字を描く心に平和の灯」       
「あなたから伝えてほしい愛の波」

人はなぜ戦うのでしょうが。人と人はどうして仲良くできないのでしょうか。体育祭に毎年描かれる「PX]―パックスクリスティー(キリストの平和)の人文字を見ながら考えるのです。

人が人と争うのは、相手が自分より幸せになってほしくないという妬みからではないかと思います。ふと振り返ると、自分にもそういう妬みがあるなと思います。個人のこんな思いが国単位になると戦争に発展するのではないでしょうか。

では、私たちにできることは何でしょうか。それは、背伸びしない自分、今のままの自分を愛することだと考えます。「隣の花は赤い」と考えなくなれば、人を羨んだり、他人の物を欲しがったりしないはず。まず、あなたから始めてみてください。自分を愛し、大切にする人が増えていけば、争いは少しずつ減らしていかれるのではないかと思います。

平和の祈りを唱えながら「キリストの平和」を心から祈りましょう。

マッチ先生が贈る今月の一句ー8月 マッチ先生が贈る今月の一句ー8月

公園に体操仲間の笑顔見る

長いと思っていた夏休みもいよいよ残り数日。今年の夏は猛暑続きで外歩きもままならない毎日だったかもしれません。冷房をガンガン利かせた部屋で過ごしていた方も多いことでしょう。冷房嫌いなマッチ先生も、今年はさすがに冷房のお世話にならざるを得ませんでした。ただ、家の中で過ごす生活で運動不足にならないように、毎朝の散歩と近所の公園でのラジオ体操は欠かさず行っていました。毎日同じ公園に行っていると自然に顔なじみになるもので、「おはようございます!」の挨拶も自然に口に出せるようになってきました。何かしゃべるわけでもない、ほんの25分の関わりですが、仲間意識が芽生えるから不思議です。

皆さんはラジオ体操は軽すぎてつまらない、運動とは言えないと思っていませんか。でも、準備体操・整理体操を含め第1・第2体操、さらに「みんなの体操」までしっかりやると結構いい汗をかきます。体力作りに少し取り入れてみてはいかがでしょうか。仲間作りと、いい汗をかくのにラジオ体操は最適です!

マッチ先生が贈る今月の一句ー7月 マッチ先生が贈る今月の一句ー7月

マッチ先生の今月の一句ー7月

打ち水も湯気たてている昼下がり

   朝まだき川風渡る散歩道

夏休みに入りました。皆さんにとって、夏休みの一番の楽しみは何でしょうか。家族でのお出かけ、家族旅行、それとも友人と遊びに行くことでしょうか。

自分の幼少期を振り返ってみると、楽しかった思い出として記憶に残っているのは、近所の神社の夏祭りです。盆踊りの曲がかかると、心が弾んで、見よう見まねで手足を動かしていたのを思い出します。夜店も楽しみの一つでした。定番の金魚すくい、ヨーヨー釣り、それに射的・輪投げなどのゲームを友人と一緒にするのがとても楽しかったのを思い出します。でも一番心に残っているのはお祭りそのものの雰囲気でした。夏の夜、昼の暑さが少し収まってきた宵に賑やかな音や提灯のおぼろげな灯りの中で繰り広げられる催しのそこはかとない奥ゆかしさ、それが好きでした。

コロナ禍でしばらく中止されていた各地のお祭りも少しずつを戻ってきています。今年は隅田川の花火大会も開催されるとのこと。今年の夏は、久々に夏の夜の風物詩を味わってみてはいかがでしょうか。みなさんがこの夏、自分なりのすてきな思い出作りをされることを願っています。