光塩女子学院有吉佐和子文庫 ミニ展示 光塩女子学院有吉佐和子文庫 ミニ展示

11月、全校行事「親睦会」にあわせて、有吉佐和子文庫のミニ展示が行われました。部屋の入口には有吉佐和子氏の真っ白なスーツ、部屋に入ると有吉佐和子氏の蔵書が出迎えます。これらは、長女・有吉玉青様から光塩にご寄贈いただいたものです。

有吉佐和子氏は昭和を代表する女流作家であると同時に、光塩高等女学校の卒業生でもあります。昨年からのブームが続く短編集『青い壺』第10話・第11話にはスペイン系ミッションスクールが登場し、モデルになった学校がすぐ分かります。

この日の展示では、作家・有吉佐和子氏と作品に登場する光塩、光塩で学ばれた有吉佐和子氏と長女の有吉玉青様をパネルでご紹介し、来場者は興味深そうに説明パネルや展示された本に見入っていました。

 

有吉佐和子氏の真っ白なスーツ。 部屋入口の「有吉佐和子文庫」の字は長女・有吉玉青様の手によるものです。

ドアをあけたところ。机の上には、有吉佐和子氏と有吉玉青様のご著書。来場者は興味深そうに手に取っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有吉佐和子氏が光塩で学んだ岡本先生、保護者としての光塩の行事参加のエピソード、有吉玉青様の中1での活躍を伝える光塩新聞の記事をご紹介するパネル。

 

実は最後に国語科の故・佐野摩美先生の紹介コーナーも。佐野先生はこの有吉佐和子文庫を根城に、精力的に小論文指導を行いました。

フィリピンからのお手紙~ MFB(メルセス会フィリピン奨学金制度)~ フィリピンからのお手紙~ MFB(メルセス会フィリピン奨学金制度)~

光塩では、独自の支援活動であるMFB(メルセス会フィリピン奨学金制度)を通して、フィリピンの青年たちの経済支援をしています。先日、MFBを通じて学業を終えたエズラさんから、光塩宛てに感謝の手紙をいただきました。エズラさんは、大学で英語教育を専攻し、卒業に際しては成績優秀者の称号、”CUM LAUDE”を授与されたそうです。生徒たちから募ったお金が、フィリピンの学生にとって希望の光となっていることを改めて実感し、心から嬉しく思います。添付の写真はエズラさんがワーキングスカラーとして働いていたMercedarian Retreat Houseの様子です。(2013年に本校の教員が撮影しました)

以下エズラさんからの手紙の内容です。


光塩女子学院中・高等科の皆さんへ

本題に入る前に、私が常に心の支えとしてきた言葉をご紹介させてください——『人生に起こるすべてのことには理由がある』この信念は、幾多の試練を乗り越える力となり、特にボホールで大学出願に臨んでいた頃には、私を力強く支えてくれました。

私は、志望した州立大学のいずれかに合格できると自信をもっていました。しかし、不合格の知らせを受けたとき、本当に不安でいっぱいで、これからどうやって学業を続けていけばよいのか、まったく見当がつきませんでした。それでも学士号取得の夢を叶えるため、私は奨学金の機会を探し、友人や知人に助けを求めました。夢が遠ざかってしまったと思ったそのとき、神様は私に別の道を示してくださいました—それはMercedarian Retreat Houseにワーキングスカラー(※1)として応募するという道でした。無事に合格できたことは大きな喜びでしたが、さらに幸せなことに、光塩から奨学生の一人として選ばれました。あなた方のご厚意は私の人生を大きく変えました。

3人きょうだいの長女として、母一人が家族の生活を支えている中、私は常に責任の重さを感じてきました。ご支援のおかげで、経済的な不安を抱えることなく学業に専念することができました。そして、あなた方の優しさのおかげで、2025年6月4日、英語専攻の中等教育学士課程を誇りを持って卒業することができました。私はラテン名誉称号である CUM LAUDE(※2)をいただくことができ、とても光栄でした。さらに、所属する団体「英語専攻協会(the English Major’s Society)」において、会計および監査役としての活動が評価され、メダルと証明書をいただきました。これらの功績は、私だけのものではなく、あなたのものでもあります。あなたのご支援があったからこそ、実現することができました。

まさに、『神にできないことは何もない』(ルカ 1章37節)という聖句のとおり、あなた方のご支援は、私の人生の中でその言葉の真実を示してくれました。光塩の皆様、本当にありがとうございます。あなた方のご親切は、私の心に深く刻まれ、生涯忘れることはありません。どうか主が、健康と導き、そして幸せを豊かに授けてくださいますように。私はベリスメルセス宣教修道女会のシスターたちや私の旅に関わってくれた仲間の奨学生たちにも、ずっと感謝しております。あなた方は私にとって経済的、感情的、精神的な力の源であり、あなた方の助けがなければ、今の私はありませんでした。

改めまして、2021年から2025年までの奨学生としてご支援いただいたエズラでした。満面の笑顔と、感謝に満ちた大きな心を込めて、ここでご挨拶を締めくくらせていただきます。心よりの感謝を込めて。

エズラ

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※1 working scholar :学業と施設内での業務を両立しながら学ぶ奨学生制度。

※2 CUM LAUDE  :ラテン語で「称賛とともに」。成績優秀者に授与される名誉称号。

 

今を読み解く「新聞ノート」~社会科~ 今を読み解く「新聞ノート」~社会科~

積み上げられたノートを開くと、各ページの左側には新聞記事、右側には要約と感想…。これは、社会科の授業で伝統的に作成している「新聞ノート」です。中2から高3、各学年の生徒は、注目の記事をスクラップしながら気になる社会問題や政治・経済のテーマを追究してゆきます。簡易なデジタル版のニュースではできない、「手を動かし、切って貼って書く」という作業が興味の深掘りにつながります。

先生の赤ペンのコメントやスタンプを励みに、ついついノート作りに力が入り、探究レベルになる人も。これまでには、新聞ノートをきっかけにマスコミ志望を固めた生徒もいたそうです。新聞は「社会に開かれた窓」、ノートを通して現代と自分の興味を読み解く、大事な教材です。

積み上げられたノート。写真は高等科生の新聞ノートです。

社会科の先生が1冊ずつコメントを書きます。

 

 

 

 

 

 

小さな記事でも、興味を持ったらスクラップして要約と感想を書きます。先生からのコメントが楽しみです。

先生が押す、可愛いデザインのスタンプはフィードバックも兼ねています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3回学校説明会 第3回学校説明会

第3回説明会は、自分たちの通う学校を紹介したいという熱意を抱く「光塩PR部」の生徒たちが主体で行われました。

生徒たちは、ホールでスライドを使って説明するチームと校内案内をするチームとに分かれて学校紹介を行いました。

見学案内をした生徒たちは、見学者の方たちの質問に真摯に答えつつ、校内施設を丁寧に案内して回りました。一生懸命案内する生徒たちの熱意に、見学者からは笑みがこぼれていました。

いっぽう、ホールでの説明は、3つのテーマに分けて行われました。

1番目は、中等科生による学校生活についての説明です。共同担任制、学校での1日の過ごし方、学習のこと、休み時間や放課後の過ごし方など、在校生ならではの視点で光塩をアピールしました。今回が説明会デビューの生徒もおり、初めは緊張した面持ちでしたが、中学生らしいさわやかな説明で、聴衆は惜しみない拍手を送っていました。

2番目は、オーストラリア・ニュージーランドでターム留学や短期研修に参加した高等科生からの「短期留学」についての説明でした。まず留学の仕組みを説明した後、自分たちが体験したプログラムの紹介、ホストファミリーとの交流について、たくさんの写真とともに紹介しました。結びに、この留学体験を通しての学びをしっかりと伝えていたのが印象的でした。

3番目のテーマは、クラブ活動や学校行事、特別講座、そして高大連携の取り組みです。特別講座は、今年度から開設された「スペイン探究」など、生徒たちの「おすすめ講座」を紹介しました。また、高大連携については、科目等履修生やキャンパスツアーなど、たくさんのプログラムが紹介されました。聴衆の興味を喚起する内容を、聞き取りやすい話し方で紹介していました。

この説明会を通して、ありのままの「光塩」を知っていただけたのではないかと思います。

11月に開催される親睦会でも生徒による校内案内ツアーや質問コーナーがありますので、関心を持たれた方はぜひ足をお運びください。

図書室を紹介する光塩PR部の生徒

高1オープンスペースの案内

中等科校舎のマリア像を紹介

高等科校舎での案内

中等科生による共同担任制の紹介

短期留学についての説明

高等科生による特別講座の紹介

熱を入れて説明する中等科生

ラーニングコモンズの紹介

 

正面玄関 有吉佐和子展示コーナー 正面玄関 有吉佐和子展示コーナー

正面玄関の有吉佐和子展示コーナーが模様替えされました。
昨年、『青い壺』のヒットで話題となった作家・有吉佐和子氏は光塩の第14回卒業生でもあります。
今回、展示コーナーに和歌山市の有吉佐和子記念館のオリジナルグッズが加わりました。
有吉佐和子記念館は杉並区堀ノ内の邸宅を復元した建物で、館内には光塩高等女学校在学中の有吉佐和子氏の写真パネルの展示もあります。

正面玄関で、オリジナルグッズや展示されている本をどうぞ手に取ってご覧ください。

 

 

 

 

 

 

右は有吉佐和子記念館のパンフレット、中央の二つが有吉佐和子記念館のオリジナルグッズ。左は杉並区郷土博物館の有吉佐和子歿後30年記念特別展(平成26年)の図録。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今も読む人の心をつかむ有吉佐和子作品

ウクライナ支援街頭募金 ウクライナ支援街頭募金

7月19日、高円寺駅前でウクライナ避難者支援のための募金が行われました。この活動は、今年で4回目を迎え、光塩からは中高の有志生徒が参加しました。猛烈な暑さの中、熱心に呼びかけを行い、多くの方が募金に協力してくださいました。

 

 

 

 

 

 

 

フェリス女学院大学と高大連携協定を締結しました フェリス女学院大学と高大連携協定を締結しました

7月22日、本校とフェリス女学院大学(学長:小檜山ルイ/横浜市泉区)は、高大連携に関する協定を締結しました。本協定は、相互の信頼関係を構築して、幅広い分野における学生および生徒の進学およびキャリア構築を支援し、教育・研究に関する相互理解の促進に取り組むことを目的としています。
締結式には、フェリス女学院大学から小檜山ルイ学長、杉之原真子全学教育担当副学長、大谷智夫大学事務部長、口井智史学長室長が出席され、本校からは烏田校長、齋地教頭、重岡教頭が出席しました。
締結式では、協定書への署名、写真撮影の後、なごやかな雰囲気の中で意見交換等を行いました。

小檜山ルイフェリス女学院大学学長と烏田校長

 

 

 

 

 

 

 

協定に関するフェリス女学院大学のホームページはこちら(外部リンクへ飛びます)

高2教養演習 俳句 ―私の夏― を掲載いたしました 高2教養演習 俳句 ―私の夏― を掲載いたしました

高2の学校設定科目「教養演習」で生徒が『夏』をテーマに俳句を作りました。1学期の授業の佳句を紹介します。

サイダーの光はじける午後六時
背泳ぎやゆらゆら動く我と雲
泳ぎゆく海の青さの果てしなき
向日葵や街全体が笑つてる
向日葵が子どものやうに笑つてる
縁日の金魚すくふや着崩れて
金魚鉢さかさに揺れる空のあを
金魚鉢ゆるる水面の軽さかな

タイ・スタディツアー 2025春 タイ・スタディツアー 2025春

タイ・スタディツアー(上智大学主催)にこの春も高等科生が参加しました。このプログラムは、バンコクと周辺地域をフィールドに、大学や仏教寺院などの見学、日系企業との交流やスラム地域支援団体を訪問する経験と、自ら定めたテーマに基づくフィールドワークから構成されており、上智大学がカトリック高等学校連携協定校の生徒を対象に実施しています。参加した生徒が以下のコメントと写真を寄せてくれました。

今回のタイ・スタディツアーでは、日本全国から集った同世代の仲間たちとローカルなマーケットや有名な観光地まで様々な場所に赴き各々の興味のある分野を探究しました。また、思いがけず地震にあったことにより、災害の中でも明るく過ごすタイの人たちを見て、現地と日本の文化や対応などの違いを改めて違う視点から見ることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保護者全体会~上智学院・山内保憲神父様をお迎えして~ 保護者全体会~上智学院・山内保憲神父様をお迎えして~

5月17日、中高等科保護者全体会が開催されました。はじめに校長より今後の工事計画や、本年度から始まるTSUNAGARUプロジェクト、その一環として2026年度から始まる中3・ニュージーランド短期研修などの新しいプログラムが紹介されました。

烏田信二校長による挨拶と学校概況の説明

光塩女子学院後援会会長 狩野繁之様

 

 

 

 

 

 

 

続いて後援会総会、保護者講演会が行われました。講演は、高大連携協定を結ぶ上智大学から山内保憲(やまうちやすのり)神父様(上智学院カトリック・イエズス会センター・学事局 Sophia Future Design Platform推進室)をお迎えし、「世の光、地の塩―現代に求められるレジリエンスなカトリック教育―」と題して行われました。

人生の中で、ほとんどの人は心折れる体験に遭遇することがあります。大切な人との死別、失恋、自分やパートナーの病気…現代においては、老いもそのひとつです。山内神父様は、高齢の修道会会員の介護と看取りをされた長年のご経験をもとにお話しになりました。優れた学識があって著書を何冊も残した司祭も、車いす生活になり認知症が進む“老い”を避けることはできません。その姿は聖書の言葉「彼は軽蔑され、人々に見捨てられ多くの痛みを負い、病を知っている。」(イザヤ書53.2-3)を彷彿とさせます。また、イエスご自身の生涯を聖書のこの言葉に重ねる時、「思い通りにならない」人生の中にいる人間は、実はイエスが歩んだ道に近づいていることに気づきます。レジリエンスに必要な、別の視点がここにあります。 

人生で遭遇する心折れる体験は、「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」というマタイ5章44節の中の「敵」ということができます。苦しみの中にいるときも、その苦しみが自らをイエスに近づけていることに気づく価値観があれば、希望を失わず生きていくことができるでしょう。 現代的な価値観から見れば絶望しかないような、自分の力ではどうしようもない困難に遭遇したとき、それを受け止め乗り越えるレジリエンスな力を養うことは、現代のカトリック教育の中に求められています。

山内神父様の言葉のひとつずつを通して、建学の理念と人生の意味のありようについて知る、大事な講演会となりました。

ユーモアを交え、軽妙な語り口で話される山内保憲神父様。

「学校にいる子供たちは今は聖書の言葉を聞き流しているかもしれません。しかし心のどこかにひっかかり、いつか聖書の言葉が子供達の命を支えるときが来ると思います。」