保護者全体会~上智学院・山内保憲神父様をお迎えして~ 保護者全体会~上智学院・山内保憲神父様をお迎えして~

5月17日、中高等科保護者全体会が開催されました。はじめに校長より今後の工事計画や、本年度から始まるTSUNAGARUプロジェクト、その一環として2026年度から始まる中3・ニュージーランド短期研修などの新しいプログラムが紹介されました。

烏田信二校長による挨拶と学校概況の説明

光塩女子学院後援会会長 狩野繁之様

 

 

 

 

 

 

 

続いて後援会総会、保護者講演会が行われました。講演は、高大連携協定を結ぶ上智大学から山内保憲(やまうちやすのり)神父様(上智学院カトリック・イエズス会センター・学事局 Sophia Future Design Platform推進室)をお迎えし、「世の光、地の塩―現代に求められるレジリエンスなカトリック教育―」と題して行われました。

人生の中で、ほとんどの人は心折れる体験に遭遇することがあります。大切な人との死別、失恋、自分やパートナーの病気…現代においては、老いもそのひとつです。山内神父様は、高齢の修道会会員の介護と看取りをされた長年のご経験をもとにお話しになりました。優れた学識があって著書を何冊も残した司祭も、車いす生活になり認知症が進む“老い”を避けることはできません。その姿は聖書の言葉「彼は軽蔑され、人々に見捨てられ多くの痛みを負い、病を知っている。」(イザヤ書53.2-3)を彷彿とさせます。また、イエスご自身の生涯を聖書のこの言葉に重ねる時、「思い通りにならない」人生の中にいる人間は、実はイエスが歩んだ道に近づいていることに気づきます。レジリエンスに必要な、別の視点がここにあります。 

人生で遭遇する心折れる体験は、「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」というマタイ5章44節の中の「敵」ということができます。苦しみの中にいるときも、その苦しみが自らをイエスに近づけていることに気づく価値観があれば、希望を失わず生きていくことができるでしょう。 現代的な価値観から見れば絶望しかないような、自分の力ではどうしようもない困難に遭遇したとき、それを受け止め乗り越えるレジリエンスな力を養うことは、現代のカトリック教育の中に求められています。

山内神父様の言葉のひとつずつを通して、建学の理念と人生の意味のありようについて知る、大事な講演会となりました。

ユーモアを交え、軽妙な語り口で話される山内保憲神父様。

「学校にいる子供たちは今は聖書の言葉を聞き流しているかもしれません。しかし心のどこかにひっかかり、いつか聖書の言葉が子供達の命を支えるときが来ると思います。」