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中等科・高等科校長 烏田 信二

2025 年度 3 学期始業式
皆さん、あけましておめでとうございます。
皆さんお一人おひとりがご家族と共に、和やかで健やかなクリスマス、そして年末年始を過ごされたことと思います。年賀状をくださった皆さん、ありがとうございます。11月末にいただいた皆さんからのお誕生日カードを一枚一枚読んでいた時にも感じましたが、カードや葉書きにメッセージをしたためる時には、相手のことを思い起こしあたたかい気持ちになっていたことと思います。そして、それは受け取った相手にも、よく伝わります。皆さんから11月末にいただいたお誕生日カード、そして、この度の年賀状によって、私はあたたかい気持ちになりましたし、多くの慰め、励まし、勇気を皆さんからいただきました。感謝しています。年賀状を書きながら私自身も皆さんのように優しく和やかなあたたかい心で多くの方を思い起こし行動できる一年にしていきたいと強く思いました。
さて、いよいよ今日から3学期が始まります。
この度は、今年度の目標「社会とのかかわりの中で歩む」について、「人口問題」から考えてみたいと思います。
「人口問題」と言うと、日本では少子高齢化や出生率の減少が問題視されます。総務省統計局2025年12月概算値によりますと、日本の総人口は1億2千316万人で1年前に比べて59万人の減少とのことです。また厚生労働省の統計情報・白書によりますと、2024年の出生数は68万6千61人と前年より4万人も少なくなっています。皆さんの後輩でもある新しい世代が生まれてこないと、相対的に高齢者の割合が増加していくことになります。人間は高齢になると、だんだん身体が衰えていくのが自然なことですから、病院にお世話になることが増えます。介護も必要になります。ここから医療費や介護費用などの社会保障費を国としてどうやって捻出するのかが課題になります。このことは日本に限ったことではなく、多くの先進国に見られる問題です。ただ、日本は、この傾向に歯止めをかける有効な対策を打ち出せておらず、他の先進国と比べても日本の少子高齢化のスピードが他国に見られないペースで進んでいるということが問題視されています。私たちは今後どのように考え、行動していったらよいと思いますか?この課題解決に向けては、中3倫理の高齢社会についての発表等から活発な議論を継続していただけたら嬉しいです。
日本ばかりでなく、もう少し視野を広げて世界全体に目を向けて考えてみましょう。世界の人口は、国連人口基金(UNFPA)が公開する2025年版「世界人口白書」によると、82億3200万人とのことです。2024年が81億1900万人ですから、1年間で1億1300万人の増加です。日本の総人口に近い数が1年間で増加しているということになります。さらに国際連合人口部の発表を遡っていきますと、世界人口が50億人に達したのが1986年、50代の私が中学生の頃です。今から40年近く前のことです。それから12年後の1998年には60億人を越えています。私が20代後半のときです。その12年後の2010年には70億人を越えています。私が30代後半の時です。そして、私が50代になっている2023年には80億人を越えました。世界全体ではものすごい勢いで人口増加しています。これを人口爆発と言います。日本をはじめとする先進国では、少子高齢化に伴う人口減少、世界全体では人口爆発。どこで人口が増加しているのでしょうか。過去には日本も人口増加していました。現在大国と呼ばれている中国やインドも人口増加していました。そして、今は特にチャドやコンゴ民主共和国、アンゴラ、タンザニア共和国、エチオピアなどのアフリカの国々、シリア・アラブ共和国、イエメンなど中東の国々でそれが起こっています。人口が増えているのは、昔も今もいわゆる開発途上国の国々です。
人口が増加すると、その分だけ食糧や水といった資源、衛生環境に優れた住宅地、経済的に自立するための職などが必要になります。しかし、それらをすぐに揃えることは難しく貧困に苦しむ人の数が増加することになります。前回お話した貧困の問題とつながりましたね。
さらに、人口が増加すると、車や船、機械、IT教材に欠かせない電気エネルギーが必要になります。エネルギーを生み出し、消費する際には石油や石炭などの化石燃料が必要になります。これらの化石燃料を使用すると、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが排出されます。また、先ほどの食糧や住宅地の確保のためには、森林伐採を行い、耕地や住宅地を増やします。その結果、二酸化炭素を吸収してくれる森林を減少させることとなります。これらは地球温暖化という環境問題につながります。
欧米諸国がまずこのようなことを行って経済発展し、日本も欧米諸国に追いつけ追い越せと頑張って経済発展して先進国の仲間入りをしました。その結果招いてしまっている問題でもあります。そして、中国やインドが日本とは比べものにならない人数で同じ道を歩んでいます。「人口問題」と一言で言いますが、これは環境問題や貧困問題にかかわるものです。貧困問題に関わるということは、前回お話ししたように平和を脅かす問題にもつながってきます。どこに解決の道筋を見出せば良いのでしょうか。
これだけ複雑にあらゆる問題が絡み合っているのならば、解決の糸口や解決に向けた小さな一歩は、逆にたくさんあるということになります。2学期終業式でお話しした貧しい人々の「もう一人の友」となる支援活動もそうですし、消費者としてお買い物の時に意識した方が良いことを考え実践してみることも解決につながります。日常生活の中で、電気エネルギーや資源である水を使用する方法について見直してみることも小さな一歩につながります。ごみを分別すること、自分の出すごみの量を意識することも新たな一歩です。何か1つでも歩みを進めてみましょう!
最後に高3の皆さん、卒業までの登校日数も一桁となり、これから自宅学習日と入試の日が続いていきます。つらくなったら学校に来てください。行き詰まったときには、逆に「もう一人の友」for Othersを意識してみてください。自分は一人じゃない、みんなで共に歩んでいる、みんなと共に歩むために今自分は頑張っているという喜びを味わうことができると思います。これまでの歩みを感謝して、一日一日を大切に進んで参りましょう。
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