カテゴリー:未分類

高2教養演習 高2教養演習

高2の学校設定科目「教養演習」のイベントとして東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 日本学術振興会特別研究員PDの神田惟先生による講演会「研究者として生きるということー燭で象を照らすためにー」が実施されました。先生は、光塩を卒業して17年間、イスラーム美術史研究をご自身のライフワークとして成功させるまでの道のりについてお話しくださいました。海外と日本を行き来して国際的に活躍し、好きなものに好きなだけ没頭できる職業、というイメージの研究者ですが、実際はとても地味で地道な作業であること、続けるためには資金を得ることが前提となること、そして自身の研究の意義と成果を世に発信し続けることの重圧と隣合わせであることを、先生は語られました。講演のサブタイトルは校名でもある聖書の言葉「世の光」と「群盲撫象(ぐんもうぞうをなず)」という言葉に由来します。お話の最後に、「世の光」とは見えないものを照らして本当の姿を知るための知識だ、と文理を横断した学際的な知識を持つことの大切さを先生は訴えられました。

講演後、生徒からは質問の手が時間いっぱいまで上がり、生徒がいかに惹き込まれて先生の話に耳を傾けていたかが伺われました。生徒の「イスラーム美術の魅力について教えてください」という質問に「分かろうとすればするほど分からなくなるところ」と一言チャーミングに答えた先生の笑顔が印象的な一コマとなりました。

日本の茶器として楽しまれたイスラム美術品

神田先生