第89回高等科卒業式 第89回高等科卒業式

咲き初めた桜に慈雨降り注ぐ日、第89回卒業式が挙行されました。
まず生徒の氏名が読み上げられ、一人ひとりに卒業証書が手渡され、卒業生たちは感慨深げに証書を受け取っていました。
コロナ禍で入学式がなかった89回生にとってこの式は生涯忘れられないものになることでしょう。
卒業生代表の答辞に綴られていたのは、コロナ禍が始まり、登校できない日々が続く中で前校長や教職員たちが行ったオンライン授業の導入や在校生への激励メッセージの配信に対する心からの感謝でした。そこには自分たちの辛さを嘆くよりも教職員の苦労を気遣う優しさが表れていました。また、予定していた修学旅行が校内での代替プログラムに変更されたことについても学年の絆を深めることに繋がったと前向きにとらえ、代替プログラムを用意した教職員への謝辞が述べられていました。
答辞に加え、式の終わりに卒業生全員で歌う合唱の曲紹介にも特別だった3年間への熱い思いがこめられていました。殊に、様々な制約があったからこそ、何気ない日常のありがたさに気づくことができたという言葉にはコロナ禍を乗り越えてひと回りもふた回りも成長した89回生の姿がありました。続いての合唱は89回生皆の心の声そのもので、式場中が感動に包まれました。
「雨降って地固まる」-89回生の門出に相応しい雨の日の卒業式でした。

卒業式の様子

 

 

 

 

 

マッチ先生が贈る今月の一句ー3月 マッチ先生が贈る今月の一句ー3月

マッチ先生が贈る今月の一句 3月

 「さよならは新たな出会いの第一歩」

 「卒業を寿ぐ空は花曇り」

 

「逢うは別れの始め」という慣用句を聞いたことのある方は大勢いらっしゃると思います。これは中国の詩人白居易の詩に拠るものです。

卒業も一つの「別れ」と言えるでしょう。けれども、私はあえて言いたいのです。「別れこそ新たな出会いの始まり」であると。

真壁仁さんの「峠」という詩をご存じですか。その一節に「ひとつをうしなうことなしに別個の風景にはいってゆけない。」とあります。また、「たとえ行手がきまっていてもひとはそこでひとつの世界にわかれねばならぬ」(昭和詩集㈠日本詩人全集33 新潮社より)とも書かれています。

これまで過ごしてきた世界に別れを告げるのは寂しいと思われるかもしれませんが、その寂しさを乗り越えないと、新たな世界へ旅立つことができません。

4月から始まる新たなステージへ、希望をもって進んで行きましょう。マッチ先生は皆さんの新たな門出を心から応援しています。